【第二回】USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? レビュー
みなさん、こんにちは!
先日開始した当ブログですが、うれしいことに見ていただいている方が思っている以上に多くて驚いています(笑)
ただ、まだまだこれからですので、何とか更新頑張って続けていこうと思いますね!
(書き溜めってしたほうがいいのかな……?)
さてさて、余計な話はここまでで、今回レビューさせていただくのはコチラです!!!
USJのジェットコースターは
なぜ後ろ向きに走ったのか? 著者:森岡毅
【内容紹介】
ハリウッド映画のテーマパークとして2001年に大阪に誕生したUSJですが、年々集客数が減っていき、危うく経営危機ともいえる状況に陥る。
何とかこの危機を回避するために当時のUSJのCEOであったグレン・ガンペル氏は、この本の著者である森岡毅氏を採用します。
圧倒的にお金がない状況で一体どうするのか、そして、USJの行方はいかに――。
【レビュー】
この本を読破した後、まず思ったことは「どこの漫画かな?(笑)」でした。
まるで魔法のように経営をV字回復させたのは、皆さんもよくご承知だと思いますが、森岡氏の激闘の日々や、その結果を見るに本当に漫画のようなシナリオだと思いました。
転職前は大手外資系コンサルのマーケッターとして働いていたそうですが、そこで何を学べばここまでできるようになるんだ。(笑)
ですが、今回レビューさせていただくにあたって、内容を掻い摘んでいたらこれは奇跡ではなくロジカルに作られた話なんだと、ハッキリと分かりました。
もちろん勝負の部分は少なからずあったとは思いますが、ほとんど数字が事実を証明していたんだと思います。
大きくこの本の中身をカテゴライズすると、2点になると思います。
②森岡氏が考えた独自の発想法
これに尽きると個人的に思っています。
何かを企画する方であれば少なくとも②の方を読む価値は大いにあると思います。
そうじゃない方でも発想法を読んでほしいですが、どちらかと言うと①のサクセスストーリーから森岡氏の熱いメッセージを受け取ってもらいたいですね。
私の方でも簡単に①と②について解説していきますが、もしご興味を持たれたら是非とも書店の方で購入することをオススメします。
・①について
先ほども述べた通り、森岡氏は外資系コンサルでマーケッターとして働いていたご経験があり、USJではマーケティング本部長としてご活躍されていました。
一回のプロジェクトで何十億、ハリーポッターにおいては450億円相当のプロジェクトだったそうです。
みなさんそれ聞いてどう思います?
私は、そんな金扱う勇気がねえよ。でした。
もし失敗したらUSJの名前は一瞬で消し飛ぶくらいの大損害を与えると思うと怖くて怖気づいてしまいそうです。
しかし、前職で学んだスキルと、後述する独自の発想法を使いまくって、プロジェクトが成功する確率を、数字、さらにご自身の経験から証明していたため確信があったそうです。
その熱い姿勢に読者は森岡氏のサクセスストーリーにグイグイ引き込まれること間違いないでしょう。私もそうでした(笑)
ただ、私が言いたいのは、やはり数字で証明されたプロジェクトであってもアミューズメント業界は外部要因(景気など)で左右されるそうです。だから森岡氏でも不安はやはり残っていたそうです。
ですが、
「不安はもちろんあった、だけど、提案した自分の不安を社員に見せてしまえば会社は崩壊する。毎日鏡の前で俺はできると唱えていました」
と綴っていました。
やはりどんな人間であっても「怖いものは怖い」。
ですが、成功する人は「その怖さを乗り越えられる勇気がある」人のことを指すのだと思います。
USJは今リスクをとって改革を起こさなければゆっくり墜落する飛行機のようだ、ただ、もしここでリスクを取らなければ次に復活するのはほぼ不可能だ。
森岡氏の勇気ある行動は会社を変え、USJの在り方を変え、日本の景気に貢献していると個人的に思いました。
・②について
タイトルにある「ジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」に対する回答はこちらにあると思います。
今では当たり前かもしれない概念かもしれませんが、そのアイデアを生み出した秘訣を本書では紹介されていました。
通称「イノベーション・フレームワーク」は4つの柱から構成されています。
ⅰ)フレームワーク
ⅱ)リアプライ
ⅲ)ストック
ⅳ)コミットメント
ⅰ)フレームワークについて
一言でいうと、宝のありかを探すための手がかりであるそうです。
そのフレームワークにも2種類ほどあり、
・戦略的フレームワーク
・数学的フレームワーク
に分けられます。
・戦略的フレームワークについて
目的→戦略→戦術の3段階を考え、考えるべきアイデアの必要条件を導き出す方法です。
目的:そもそも達成すべき命題とは?
↓
戦略:目的達成のために経営資源を何に集中するか?(これがアイデアの必要条件)
↓
戦術:具体的にどのように実現させていくのか?(これがアイデア)
・数学的フレームワーク
正しい目的を設定するために、問題の本質を発見するのにとても役立つ方法です。
足して100になる仮説を立てて検証するやり方です。
ⅱ)リアプライ
フレームワークで考えるべきアイデアの必要条件が明確になったら次にすることは、この世界のどこかに似たような問題に直面した事例を探すことです。
その事例を発見したら、戦略やアイデアの核心を抽出しながらも、戦術的な部分は自信に合わせて応用することです。
ⅲ)ストック
アイデアを思いつくために、日ごろからあらゆる知識を脳に貯めておくこと=ストックしておくことが、発想の近道であるそうです。
ⅳ)コミットメント
最後は、やり抜く覚悟や決意が必要です。最後に成否を決めるのはこのコミットメントであると述べています。
【最後に】
本書は、森岡氏のサクセスストーリーとそのサクセスを導いた発想の在り方について述べられています。
専門書ではない上、読みやすい文体になっています。いつも本を読まない方であっても、通勤中に読めるレベルになっています。
ノンフィクションの小説と思って読んでも違和感がないと思います。
もし興味が芽生えましたらぜひとも一読してみてはいかがでしょうか。